
滅菌調整タルクでの胸膜癒着術後異物反応肉芽腫を形成した肺癌の1例
高知医療センター呼吸器内科
症例は52歳男性.肺腺癌に対して1次治療の化学療法を施行中,左癌性胸膜炎を発症し,滅菌調整タルクでの胸膜癒着術を施行した.2次治療の化学療法中,タルクでの胸膜癒着術から2ヶ月後に,CTでドレナージチューブ挿入部位に一致する部位に皮下から胸壁にかけて一部に高吸収域を伴う腫瘤の出現を認めた.皮膚生検でタルクによる異物反応肉芽腫と診断した.タルクでの胸膜癒着術後に,タルクによる異物反応肉芽腫をきたすことがあり,CTでは高吸収域が癌との鑑別に有用である可能性がある.
Received 25 Jun 2022 / Accepted 27 Sep 2022
山根 高
〒781–8555 高知県高知市池2125–1
高知医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 12(1): 34-37, 2023