アダリムマブの再投与とステロイドが有効であった結核治療中の免疫再構築症候群の1例
福代 有希a,* 高山 裕介a 三島 祥平a 益田 健a 庄田 浩康a 岩本 康男b
a広島市立広島市民病院呼吸器内科
b同 腫瘍内科
*現所属:広島赤十字・原爆病院呼吸器内科
生物学的製剤投与中の結核では,同薬剤の中止が誘因となり免疫再構築症候群(immune reconstitution inflammatory syndrome:IRIS)を発症することがある.症例はアダリムマブ(adalimumab:ADA)投与中に結核を発症し,ADA中止後にIRISを発症した.結核治療を継続し,ADAの再開とステロイド治療により,IRISに伴う症状は軽快した.今回我々は,生物学的製剤の再投与とステロイドがIRISの病勢制御に有効であった1例を経験したため報告する.
アダリムマブ TNF阻害薬 結核症 免疫再構築症候群 乳び胸
Received 16 Jun 2022 / Accepted 22 Sep 2022
福代 有希
〒730–8518 広島県広島市中区基町7–33
広島市立広島市民病院呼吸器内科
日呼吸誌, 12(1): 29-33, 2023