下葉胸膜下に多発する浸潤影を無治療で観察できたサルコイドーシスの1例
眞水 飛翔 眞水麻以子 石川 大輔 河上 英則 古川 俊貴 石田 卓士
新潟県立中央病院呼吸器内科
62歳女性が咳嗽で受診した.胸部CTで右下葉の胸膜下に多発する浸潤影を認めた.1ヶ月後に胸部CTを撮像したところ,浸潤影に加えて結節影,塊状影が出現していた.胸腔鏡下肺部分切除による生検を行い,非乾酪性類上皮細胞肉芽腫,多核巨細胞をびまん性に認めたため,サルコイドーシスと診断した.浸潤影は融合した肉芽腫が肺胞を埋め尽くし,肺胞構造が消失したものであったが,無治療で軽快した.下葉胸膜下に浸潤影を呈する非典型的なサルコイドーシスは画像による予後予測が難しく,CTによる厳重な経過観察が必要である.
サルコイドーシス 浸潤影 非乾酪性類上皮細胞肉芽腫 多核巨細胞
Received 6 Jul 2022 / Accepted 26 Sep 2022
眞水 飛翔
〒943–0192 新潟県上越市新南町205
新潟県立中央病院呼吸器内科
日呼吸誌, 12(1): 24-28, 2023