オウム病散発例の臨床的検討
石黒 卓a 中元 康雄a,c 上田みゆきb 髙田 直美b 高柳 昇a
a埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
b同 放射線科
c杏林大学呼吸器内科
1988年に海外から多数例のオウム病の研究が報告された.当時と比べると環境衛生は改善され,抗菌薬も開発された.自施設で診療を行ったオウム病の市中肺炎27例を後方視的に検討した結果,鳥への曝露歴は86%の症例に認められ,原因としてハトが多かった.従来の報告と比べ消化器症状と筋関節症状の頻度は低く,神経症状の頻度は高かったが,それ以外は類似していた.抗菌薬投与から解熱までの期間はテトラサイクリン系抗菌薬が2日と最短で,いまでもテトラサイクリン系抗菌薬は最も有効な可能性がある.
クラミジア・シッタシ 市中肺炎 オウム病 テトラサイクリン 転帰
Received 19 Aug 2022 / Accepted 28 Oct 2022
石黒 卓
〒360–0197 埼玉県熊谷市板井1696
埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
日呼吸誌, 12(1): 11-18, 2023