気管支肺胞洗浄液のPCR検査で診断したCOVID-19以外の原発性ウイルス肺炎
高野 賢治a 石黒 卓a 小林 康人b 鳥羽 里穂b 髙田 直美c 上田みゆきc 清水 禎彦b 高柳 昇a
a埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
b同 病理診断科
c同 放射線科
今回,気管支肺胞洗浄液からウイルスが証明された原発性ウイルス肺炎67例を後方視的に検討した.インフルエンザウイルス25例が最多で,普通感冒のコロナウイルス23例が続いた.上気道症状の頻度は25.4%と低く,COVID-19同様,主に重症例でリンパ球減少,D-dimer,血清フェリチン高値例を認めた.CTでは両側性のコンソリデーション65.7%,すりガラス陰影89.6%を認めた.支持療法,抗ウイルス薬やコルチコステロイドを投与し,13.4%が侵襲的人工呼吸管理を要し,6.0%が死亡した.今後は前向き研究による治療法の確立が望まれる.
原発性ウイルス肺炎 特徴 インフルエンザ 抗ウイルス薬 コルチコステロイド
Received 5 Sep 2022 / Accepted 19 Oct 2022
石黒 卓
〒360–0197 埼玉県熊谷市板井1696
埼玉県立循環器・呼吸器病センター呼吸器内科
日呼吸誌, 12(1): 2-10, 2023