3世代にわたる気胸の家族歴が確認されたBirt-Hogg-Dubé症候群の1例
上田 宰a 米田 太郎a 木場 隼人a 森田 弘子a 西 耕一b 笠原 寿郎c
a小松市民病院呼吸器内科
b石川県立中央病院呼吸器内科
c金沢大学附属病院呼吸器内科
症例は80歳男性.気胸の既往歴があった.健診で胸部異常陰影を指摘され,胸部CTでは両肺びまん性に多発性肺嚢胞が認められた.家族歴では娘と孫娘に気胸の既往があった.Birt-Hogg-Dubé(BHD)症候群に特徴的な腎腫瘍や皮疹はなかったが,家族歴からBHD症候群が鑑別に挙げられた.Folliculin遺伝子解析を施行し,exon 12に挿入変異を認め,BHD症候群と診断した.今回我々は,3世代にわたる家族歴と画像所見からBHD症候群と診断した症例を経験したので,その特徴を報告する.
Birt-Hogg-Dubé症候群 肺嚢胞 気胸 Folliculin遺伝子
Received 30 Jan 2022 / Accepted 9 Jun 2022
上田 宰
〒923–8560 石川県小松市向本折町ホ60
小松市民病院呼吸器内科
日呼吸誌, 11(5): 321-326, 2022