HER2遺伝子変異陽性肺癌に対して化学放射線療法後にデュルバルマブを投与した1例
佐々木悠子 田中 寿志 牧口 友紀 小堀 由璃 小田切 遥 田坂 定智
弘前大学大学院医学研究科呼吸器内科学講座
HER2 exon 20挿入変異陽性局所進行非小細胞肺癌における,化学放射線療法後のデュルバルマブ(durvalumab)の効果は明らかではない.症例は65歳女性.肺腺癌(cT2aN3M0,Stage ⅢB)に対して化学放射線療法後,デュルバルマブ投与を1年間継続した.デュルバルマブ導入から15ヶ月後に再発.以降6次治療まで施行したが病勢進行となり,デュルバルマブ導入から3年3ヶ月で永眠された.HER2 exon 20挿入変異陽性局所進行非小細胞肺癌に対するデュルバルマブ療法は第Ⅲ相PACIFIC試験と同様の無増悪生存期間であった.
HER2 exon 20挿入変異 非小細胞肺癌 免疫チェックポイント阻害剤 デュルバルマブ
Received 25 May 2022 / Accepted 13 Jul 2022
田坂 定智
〒036–8562 青森県弘前市在府町5
弘前大学大学院医学研究科呼吸器内科学講座
日呼吸誌, 11(5): 310-314, 2022