免疫抑制療法下にニューモシスチス肺炎の合併が疑われたアスペルギルス気管気管支炎
中積 広貴* 渡辺 知志 古林 崇史 木村 英晴 笠原 寿郎 矢野 聖二
金沢大学附属病院呼吸器内科
*現所属:石川県立中央病院呼吸器内科
症例は80歳男性.関節リウマチに対してメトトレキサート(methotrexate:MTX)およびバリシチニブ(baricitinib)で加療中に,発熱および体動困難のため入院となった.気管支鏡検査にて気管支壁の壊死を認め,生検からアスペルギルス気管気管支炎と診断した.また胸部CTでびまん性すりガラス陰影を認め,気管支肺胞洗浄液のPneumocystis jirovecii PCR法が陽性であることから,ニューモシスチス肺炎の合併も疑われた.両者に対する治療で症状は改善した.免疫抑制状態ではあらゆる日和見感染症の併発を念頭に置き,気管支鏡検査を含めた積極的な精査が必要である.
アスペルギルス気管気管支炎 ニューモシスチス肺炎 関節リウマチ メトトレキサート バリシチニブ
Received 7 Dec 2021 / Accepted 14 Jul 2022
中積 広貴
〒920–8641 石川県金沢市宝町13–1
金沢大学附属病院呼吸器内科
*現所属:石川県立中央病院呼吸器内科
日呼吸誌, 11(5): 286-291, 2022