治療抵抗性の神経症状にメポリズマブが奏効した好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の1例
児玉 秀治 吉田 正道 三木 寛登 後藤 広樹 寺島 俊和 藤原 篤司
三重県立総合医療センター呼吸器内科
75歳男性.両下肢の感覚障害と脱力,左下肢の疼痛,咳嗽を主訴に当院救急外来を受診した.気管支喘息既往があり末梢血好酸球数の著明な上昇と神経症状から好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis:EGPA)の診断で入院した.ステロイドパルス療法,プレドニゾロン(prednisolone:PSL)維持療法,高用量ガンマグロブリン静注療法を行ったが神経症状は残存した.退院後,外来でメポリズマブ(mepolizumab)を開始し,神経症状は改善傾向となりPSL 2mgまで漸減できた.EGPAの神経症状はしばしば遷延しADL低下に直結するが,メポリズマブは治療抵抗性の神経症状に有効な治療選択肢になり得る.
Received 25 Feb 2022 / Accepted 16 May 2022
児玉 秀治
〒510–8561 三重県四日市市大字日永5450–132
三重県立総合医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 11(4): 212-217, 2022