肺Mycobacterium intracellulare症を合併したアレルギー性気管支肺アスペルギルス症の1例
尾下 豪人 妹尾 美里 井上亜沙美 佐野 由佳 吉岡 宏治 池上 靖彦
国家公務員共済組合連合会吉島病院呼吸器内科
症例は77歳の女性.8年前から両肺に小葉中心性粒状影を指摘されていた.1ヶ月前から湿性咳嗽が悪化し,右肺上葉浸潤影を指摘された.気管支鏡検査で右B3aにアスペルギルスを含む粘液栓を確認し,アレルギー性気管支肺アスペルギルス症と診断した.右肺中葉での気管支肺胞洗浄液からMycobacterium intracellulareが検出された.アレルギー性気管支肺真菌症と肺非結核性抗酸菌症は気道クリアランス障害を背景として合併することがあり,合併例に対しては慎重な対応を要する.
非結核性抗酸菌症(NTM症) 肺MAC症 Mycobacterium intracellulare アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
Received 15 Feb 2022 / Accepted 10 May 2022
尾下 豪人
〒730–0822 広島県広島市中区吉島東3–2–33
国家公務員共済組合連合会吉島病院呼吸器内科
日呼吸誌, 11(4): 202-206, 2022