ニボルマブ投与中に発症したスエヒロタケによるアレルギー性気管支肺真菌症の1例
西村 好史a 眞田 莉花b 中 康彦a 川口健太郎a 宮﨑こずえa 亀井 克彦c
a国立病院機構東広島医療センター呼吸器内科
b庄原赤十字病院内科
c千葉大学真菌医学研究センター臨床感染症分野
症例は70歳女性.耳下腺癌に対するニボルマブ(nivolumab)投与中に胸部CT上の右肺下葉浸潤影,粘液栓の出現に加え,咳嗽,喀痰といった呼吸器症状が出現したため気管支鏡検査を行った.末梢血好酸球数増多,粘液栓内の糸状菌染色陽性,CTで中枢性気管支拡張,中枢気管支内粘液栓,高吸収な粘液栓を認め,気管支洗浄液からスエヒロタケ(Schizophyllum commune)が培養され,特異的IgE陽性であったことからS. communeによるアレルギー性気管支肺真菌症と診断した.
免疫チェックポイント阻害薬 アレルギー性気管支肺真菌症 スエヒロタケ 抗真菌薬治療 メポリズマブ
Received 31 Jan 2022 / Accepted 9 May 2022
西村 好史
〒739–0041 広島県東広島市西条町寺家513
国立病院機構東広島医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 11(4): 198-201, 2022