下膵十二指腸動脈瘤破裂と肺血栓塞栓症を発症した重症COVID-19の1例
舩坂 高史a 麻生 裕紀b 福島 曜b 西永 侑子b 清水 隆宏b 山田 千晶b
a大垣市民病院呼吸器内科
b一宮市立市民病院呼吸器内科
症例は74歳女性,労作時呼吸困難を主訴に受診.CTで両側肺すりガラス影を認め,新型コロナウイルスPCR検査が陽性となり,COVID-19肺炎と診断した.第1病日より人工呼吸器管理を行った.第11病日に正中弓状靭帯圧迫症候群を背景とした下膵十二指腸動脈瘤破裂を発症し,血管塞栓術を施行した.第40病日に造影CTで肺血栓塞栓症と深部静脈血栓症が判明し,下大静脈フィルターを留置した.COVID-19の血管内皮障害が関与したと考えられる動脈瘤破裂による出血症と血栓症を同時に経験したため報告する.
新型コロナウイルス感染症 正中弓状靭帯圧迫症候群 動脈瘤破裂 肺血栓塞栓症 深部静脈血栓症
Received 27 Jul 2021 / Accepted 12 May 2022
麻生 裕紀
〒491–8558 愛知県一宮市文京2–2–22
一宮市立市民病院呼吸器内科
日呼吸誌, 11(4): 193-197, 2022