肺腺癌の化学療法中デング熱を発症した1例
知光 祐希a 森近 大介b 松下 瑞穂c 米花 有香b 市原 英基d 岡田 俊明b
a独立行政法人国立病院機構福山医療センター内科
b同 呼吸器内科
c鳥取県立中央病院呼吸器内科
d岡山大学病院呼吸器・アレルギー内科
肺腺癌化学療法中に発症し,診断し得たデング熱の1例を報告する.症例は50歳代の男性.3ヶ月間のミャンマー滞在から帰国後6日目に,前医で進行肺腺癌に対する化学療法を施行した.帰国後9日目からの発熱,悪寒で当院を受診した.皮疹と血球減少を認め緊急入院したが,その後,血清デングウイルスNS1抗原が陽性となったためデング熱と診断した.化学療法中であっても渡航歴があり,発熱,皮疹を伴う場合はデング熱などの輸入感染症の有無を鑑別する必要がある.
肺癌 デング熱 発熱性好中球減少症 ベバシズマブ 輸入感染症
Received 20 Jan 2022 / Accepted 14 Apr 2022
森近 大介
〒720–8520 広島県福山市沖野上町4–14–17
独立行政法人国立病院機構福山医療センター内科
日呼吸誌, 11(4): 188-192, 2022