ループスアンチコアグラント低プロトロンビン血症症候群を合併した肺扁平上皮癌の1例
大平 悠美a,b 井上 幸久b 遠藤 智c 竹山 裕亮b 近藤 信幸b 神 靖人b
a横須賀共済病院呼吸器内科
b平塚共済病院呼吸器内科
c東京医科歯科大学呼吸器内科
症例は65歳,男性.咳嗽・労作時呼吸困難のため当院を受診した.胸部CTで左肺上葉腫瘤を認め,肺扁平上皮癌cT4N3M1c Stage ⅣBと診断した.同時に血液検査でPTとAPTTの著明な延長を認めた.ループスアンチコアグラント陽性かつプロトロンビン活性低下を認めたことから,ループスアンチコアグラント低プロトロンビン血症症候群(lupus anticoagulant-hypoprothrombinemia syndrome:LAHPS)と診断した.その後化学療法が開始され,PTかつAPTTは肺扁平上皮癌の病勢と相関を認めた.LAHPSは腫瘍随伴症候群として肺扁平上皮癌に合併することがある.
ループスアンチコアグラント低プロトロンビン血症症候群 肺扁平上皮癌 腫瘍随伴症候群
Received 23 Feb 2022 / Accepted 4 Apr 2022
大平 悠美
〒238–8558 神奈川県横須賀市米が浜通1–16
横須賀共済病院呼吸器内科
日呼吸誌, 11(4): 183-187, 2022