リンパ性間質を伴う小結節性胸腺腫の1例
a横須賀市立うわまち病院呼吸器外科
b同 病理診断科
症例は80歳女性.労作時呼吸困難で当院を紹介されて受診した.狭心症の診断で冠動脈バイパス術が予定されたが,術前の胸部単純CTで前縦隔に4.2×3.2×5.0cmの腫瘤を認めた.胸部MRIで腫瘤はT1およびT2強調像のいずれも等信号であった.胸腺腫の疑いで冠動脈バイパス術と同時手術とした.胸骨正中切開下胸腺腫摘除,胸腺全摘術を施行.病理組織像で,紡錘形から卵円形の上皮性腫瘍細胞の結節が豊富なリンパ性間質で区画されており,リンパ性間質を伴う小結節性胸腺腫と診断した.
Received 24 Dec 2021 / Accepted 22 Feb 2022
大森 隆広
〒238–8567 神奈川県横須賀市上町2–36
横須賀市立うわまち病院呼吸器外科
日呼吸誌, 11(3): 161-164, 2022