挿管管理下に腫瘍生検をすることで社会復帰が可能となった壮年癌性髄膜炎の1例
村山 義明 伊志嶺朝彦 與那覇梨早 島袋 大河 福里 夏海 玉城 和則
中頭病院呼吸器内科
症例は,41歳,男性.診断未確定の癌性髄膜炎による不穏状態にあり,鎮静のうえ気管内挿管を行い,人工呼吸器下で経気管支生検を施行した.肺腺癌・上皮成長因子受容体遺伝子変異陽性の診断となり,オシメルチニブ(osimertinib)の投与を行い,独歩で退院した.肺癌の中枢神経転移患者の予後は厳しいが,分子標的薬の登場により,良好な効果も報告されてきている.また,進行肺癌患者に対する気管内挿管は,適応に関して慎重に決定したいが,治療が奏効した経験を得たため,文献的考察を加え報告する.
Received 30 Nov 2021 / Accepted 2 Mar 2022
村山 義明
〒904–2195 沖縄県沖縄市登川610番地
中頭病院呼吸器内科
日呼吸誌, 11(3): 152-155, 2022