Epstein-Barrウイルス肺炎を併発した伝染性単核球症の1例
市川由加里a 古荘 志保a 黒川 浩司a 中積 泰人a 安井 正英b 片山 伸幸a
a金沢市立病院呼吸器内科
b独立行政法人国立病院機構七尾病院呼吸器内科
症例は40代女性.発熱,全身倦怠感,胸部異常陰影にて入院となった.リンパ節腫脹,肝脾腫,肝機能異常,異型リンパ球増加を認め,血清検査より,Epstein-Barr(EB)ウイルスによる伝染性単核球症と診断した.胸部CTでは,中葉・舌区に無気肺を伴う浸潤影を認め,気管支肺胞洗浄液(bronchoalveolar lavage fluid:BALF)ではリンパ球比率の増加がみられた.経気管支肺生検(transbronchial lung biopsy:TBLB)では肺間質へのリンパ球浸潤がみられ,EBV-encoded small RNA(EBER)陽性細胞を認めたためEBウイルス肺炎と診断した.肺組織にてEBウイルス肺炎が確認された伝染性単核球症は稀であり報告した.
Received 16 Sep 2021 / Accepted 3 Dec 2021
市川 由加里
〒921–8105 石川県金沢市平和町3–7–3
金沢市立病院呼吸器内科
日呼吸誌, 11(2): 73-77, 2022