気管支喘息診断における呼気中一酸化窒素濃度と喀痰中好酸球の同時測定の意義
宇津木光克a 岩下 広志b 松崎 晋一c 大澤 翔a 小野 昭浩a
a桐生厚生総合病院内科
b前橋赤十字病院呼吸器内科
c公立館林厚生病院内科
気管支喘息診断における非侵襲的検査法である呼気中一酸化窒素濃度(fractional exhaled nitric oxide:FeNO)と喀痰中好酸球との同時測定が診断率向上に寄与するか検討した.対象症例104例のうち,喘息診断のカットオフ値とされるFeNO 22ppb以上は66例(感度63%),FeNO 22ppb未満の38例のうち喀痰中好酸球陽性は30例で,FeNOと喀痰中好酸球を合わせた感度は92%であった.喀痰中好酸球は迅速染色液での短時間の判定が可能であり,FeNOとの組み合わせにより気管支喘息の迅速かつ有力な補助診断法となり得ると考えられた.
Received 10 Mar 2021 / Accepted 17 Nov 2021
宇津木 光克
〒376–0024 群馬県桐生市織姫町6–3
桐生厚生総合病院内科
日呼吸誌, 11(1): 1-6, 2022