CEA,PR3-ANCAが高値を示したアレルギー性気管支肺真菌症の1例
尾下 豪人 妹尾 美里 井上亜沙美 佐野 由佳 吉岡 宏治 池上 靖彦
国家公務員共済組合連合会吉島病院呼吸器内科
症例は66歳の女性.2ヶ月前から湿性咳嗽を自覚し,胸部CTで右肺上葉の腫瘤影を,血液検査でCEA,PR3-ANCAの高値を指摘された.気管支鏡検査では右B3に粘液栓を認め,気管支洗浄液の真菌培養ではPenicillium corylophilumが検出された.アレルギー性気管支肺真菌症と診断し,ステロイド薬を投与したところ,腫瘤影は消退した.腫瘤影を呈し,CEA,PR3-ANCAが高値を示したため,肺癌や多発血管炎性肉芽腫症との鑑別を要した.
アレルギー性気管支肺真菌症 ペニシリウム 癌胎児性抗原 プロテネース3抗好中球細胞質抗体
Received 20 Jul 2021 / Accepted 2 Sep 2021
尾下 豪人
〒730–0822 広島県広島市中区吉島東3–2–33
国家公務員共済組合連合会吉島病院呼吸器内科
日呼吸誌, 10(6): 477-481, 2021