Mycobacterium abscessusによる肺抗酸菌症の予後因子の検討
巖水 慧a,e 山本 和子a,d,e 井手口周平a 井手昇太郎a 髙園 貴弘a 高橋 健介b 赤松 紀彦c 泉川 公一d 栁原 克紀c 迎 寛a
a長崎大学病院呼吸器内科
b同 感染症内科
c同 検査部
d同 感染制御教育センター
e国立病院機構長崎医療センター臨床研究センター
肺Mycobacterium abscessus症(肺Mab症)患者を単施設で13年間後方視的に調査し,予後因子を検討した.肺Mab症10例中の死亡例3例は,背景肺疾患と免疫抑制薬使用歴を有し,亜種はM. abscessus subsp. abscessusであった.低いperformance status,低アルブミン血症,低いFEV1/VC,治療後の末梢血リンパ球数回復不良が,肺Mab症患者の死亡と関連していた.また,栄養・免疫状態や肺機能の悪い宿主に肺Mab症が合併すると予後不良となることが示唆された.
Mycobacterium abscessus 肺非結核性抗酸菌症(肺NTM症) 予後因子
Received 10 Mar 2021 / Accepted 23 Aug 2021
山本 和子
〒852–8501 長崎県長崎市坂本1–7–1
長崎大学病院呼吸器内科
日呼吸誌, 10(6): 449-456, 2021