出血性ショックを呈した特発性血気胸に対して経カテーテル動脈塞栓術を施行した1例
鈴木利央登a 丹田 実a 寺山 茉莉a 加藤 健一b 井上 義博a
a岩手医科大学附属病院高度救命救急センター
b同 放射線医学講座
症例は71歳男性.左胸痛で前医を受診した.CTで左胸水貯留を確認し,胸腔ドレナージを開始したところ血性胸水が流出した.血圧も低下し,出血性ショックを疑ったため当院へ搬送された.当院の造影CTで特発性血気胸と診断した.経カテーテル動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization:TAE)による止血を選択し,左最上肋間動脈に対して塞栓術を施行した.特発性血気胸に対しては手術療法が一般的であるが,TAEを施行することは選択肢の一つとなり得る.
特発性血気胸 出血性ショック 経カテーテル動脈塞栓術 最上肋間動脈
Received 25 May 2021 / Accepted 13 Jul 2021
鈴木 利央登
〒028–3695 岩手県紫波郡矢巾町医大通2–1–1
岩手医科大学附属病院高度救命救急センター
日呼吸誌, 10(5): 437-440, 2021