重症COVID-19後の間質性肺疾患が疑われステロイドパルス療法が奏効した1例
山本 千恵a 奥村 能城b,c 安原 大生d 二村 俊a 原 祐e
a市立福知山市民病院呼吸器内科
b同 救急救命センター
c同 小児科
d同 総合内科
e同 消化器内科
重症COVID-19後の間質性肺疾患が疑われステロイドパルス療法を施行した1例を経験した.症例は76歳男性.発熱を契機にCOVID-19と診断され,重症化し人工呼吸管理を要した.各種治療により軽快し抜管,人工呼吸器を離脱したが,その後再び呼吸状態が悪化した.画像上,器質化肺炎および非特異性間質性肺炎様の所見を認め,ステロイドパルス療法を施行したところ,呼吸状態,画像所見ともに著明な改善を認めた.COVID-19後の間質性肺疾患に対し副腎皮質ステロイド投与が有効である可能性が示唆された.
新型コロナウイルス感染症 間質性肺疾患 ステロイドパルス療法
Received 1 Mar 2021 / Accepted 16 Jul 2021
山本 千恵
〒620–8505 京都府福知山市厚中町231
市立福知山市民病院呼吸器内科
日呼吸誌, 10(5): 432-436, 2021