ペムブロリズマブ投与中に水疱性類天疱瘡を発症した肺多形癌の1例
増本 駿 河野 拓 常岡 祐希 長谷川真紀 山下 翔 河口 知允
福岡赤十字病院呼吸器内科
症例は69歳,男性.肺多形癌(Stage Ⅲb)に対して加療中で,PD-L1免疫染色高発現であったため,3次治療としてペムブロリズマブ(pembrolizumab)投与を開始した.その後,紅斑と水疱が出現し,皮膚生検にて水疱性類天疱瘡の診断となった.ペムブロリズマブの休薬と全身ステロイド投与にて皮疹は改善した.ステロイド漸減後にペムブロリズマブを再開したが,皮膚所見の再燃なく抗腫瘍効果も持続した.水疱性類天疱瘡は稀な免疫関連有害事象であるが,早期発見のため皮膚症状の注意深い観察が必要である.
ペムブロリズマブ 免疫関連有害事象 水疱性類天疱瘡 肺多形癌
Received 4 Mar 2021 / Accepted 14 Jul 2021
増本 駿
〒815–8555 福岡県福岡市南区大楠3–1–1
福岡赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 10(5): 411-414, 2021