維持透析中にペムブロリズマブを投与し奏効をみた高悪性度肺粘表皮癌の1例
桐生厚生総合病院内科
症例は59歳,男性.維持透析中に咳嗽と胸痛を自覚.CTにて左上葉に腫瘤性病変を認め,高悪性度肺粘表皮癌,臨床病期ⅣBと診断した.PD-L1発現はTPS 75%以上であり,1次治療としてペムブロリズマブ(pembrolizumab)を投与.部分奏効が得られ,心房細動発症にて中止するまでに22コース継続可能であった.その後も6ヶ月以上にわたり再発を認めていない.進行期の高悪性度肺粘表皮癌の治療法は確立されておらず,ペムブロリズマブはPD-L1高発現症例に対する治療の選択肢になり得ると考えられた.
Received 26 Mar 2021 / Accepted 2 Jul 2021
宇津木 光克
〒376–0024 群馬県桐生市織姫町6–3
桐生厚生総合病院内科
日呼吸誌, 10(5): 407-410, 2021