心筋転移による心原性ショックで発症した小細胞肺癌の1例
宮﨑 慶宗 東 正徳 佐藤 竜一 野田 彰大 福島 有星 長谷川吉則
大阪府済生会中津病院呼吸器内科
症例は70歳代男性.呼吸困難と意識障害にて救急搬送された.心臓超音波検査にて左心房内に充満する腫瘤影を認め,心臓腫瘍による心原性ショックと診断した.左心房内腫瘍摘出術を施行し,ショックを離脱できた.病理組織より小細胞癌と診断した.左肺静脈から左心房にかけて連続性に腫瘍を認め,左肺原発と判断した.希望により無治療で経過観察となったが,術後約1年間生存した.心臓転移は無症状のことが多く生前に診断されることは少ないが,突然死の原因となることがあり,注意を要する.
Received 6 Nov 2020 / Accepted 28 May 2021
東 正徳
〒530–0012 大阪府大阪市北区芝田2–10–39
大阪府済生会中津病院呼吸器内科
日呼吸誌, 10(4): 334-338, 2021