抗凝固療法で縮小を認めた瘤内血栓を伴う奇静脈瘤の1例
森永 大亮a 須甲 憲明a 服部 健史a 網島 優a 本間 直健b 畑中佳奈子c
a国立病院機構北海道医療センター呼吸器内科
b同 呼吸器外科
c北海道大学病院病理診断科
症例は64歳,女性.動悸を主訴に近医を受診し,胸部単純X線写真で1年前には認めない右上縦隔腫大を指摘されて当科に紹介された.胸部造影CTでは内部に血栓を伴う嚢状に拡張した奇静脈瘤を認め,外科的切除の適応と判断した.手術までリバーロキサバン(rivaroxaban)による抗凝固療法を開始したところ,瘤内血栓および奇静脈瘤の縮小を認め,その後,奇静脈瘤切除術を行った.1年の間に発生または増大し,抗凝固療法により瘤内血栓とともに縮小した奇静脈瘤の1例を経験したので報告する.
奇静脈瘤 奇静脈瘤内血栓 抗凝固療法 リバーロキサバン 外科的切除
Received 30 Jul 2020 / Accepted 22 Jan 2021
須甲 憲明
〒063–0005 北海道札幌市西区山の手5条7丁目1–1
国立病院機構北海道医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 10(3): 314-317, 2021