悪性胸膜中皮腫との鑑別を要した胸膜原発血管肉腫の1例
後藤由比古a,c 今井 美友a,c 小佐井幸代a 坂上 拓郎c 森 毅b 彌永 和宏a
a熊本赤十字病院呼吸器内科
b同 呼吸器外科
c熊本大学大学院生命科学研究部呼吸器内科学講座
症例は69歳男性.左側胸部痛を主訴に近医を受診した.CTで左胸膜下に多発腫瘤影を認め,精査加療目的に当院へ紹介となった.病変は左胸腔内に限られ,悪性胸膜中皮腫などが疑われた.病理学的確定診断目的に胸腔鏡下に生検を行い,血管肉腫の診断に至った.胸膜原発の血管肉腫は稀であり,貴重な症例と考え報告する.
血管肉腫 胸膜 悪性胸膜中皮腫 パクリタキセル ペムブロリズマブ
Received 23 Dec 2020 / Accepted 1 Mar 2021
後藤 由比古
〒861–8520 熊本県熊本市東区長嶺南2–1–1
熊本赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 10(3): 309-313, 2021