マイコプラズマ肺炎経過中に横断性脊髄炎を発症した1例
新妻久美子a 小高 倫生a 中野 千裕a 押尾 剛志a 藤岡 俊樹b 松瀬 厚人a
a東邦大学医療センター大橋病院呼吸器内科
b同 脳神経内科
症例は,24歳男性.発熱と咳嗽を主訴に来院,市中肺炎の診断で入院となる.入院後,抗菌薬での加療を開始し,炎症所見や胸部単純X線検査での肺炎像は改善傾向であったが高熱が持続,その後両下肢感覚障害と両下肢筋力低下が出現し歩行困難となった.脊髄MRI検査で脊髄炎の所見を認め,採血にてマイコプラズマ抗体(PA)≧10,240倍と有意な上昇があり,Mycoplasma pneumoniaeによる横断性脊髄炎と診断.ステロイドパルス治療を行い,感覚障害,筋力低下の改善を認め,明らかな後遺症なく退院に至った.
Received 8 May 2020 / Accepted 18 Jan 2021
新妻 久美子
〒153–8515 東京都目黒区大橋2–22–36
東邦大学医療センター大橋病院呼吸器内科
日呼吸誌, 10(3): 273-276, 2021