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日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 検索用
日本呼吸器学会誌 増刊号 学術講演会プログラム 抄録集 全文PDF

書誌情報

症例

液面形成型肺アスペルギルス症の治療後に好酸球数が低下した喘息・COPD合併の1例

寺田  悟a 松本 久子a 青山 晃博b 西  健太a 伊達 洋至b 平井 豊博a 

a京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学
b同 呼吸器外科学

要旨

症例は68歳,男性.喘息・COPD overlapに対して吸入ステロイド薬,長時間作用性β2刺激薬で治療中であった.咳嗽,喘鳴,好酸球増多,液貯留を伴う嚢胞を右肺上葉に認め,細菌感染として抗菌薬治療を開始したが,画像,炎症所見ともに改善が限定的で,胸腔鏡下右肺上葉切除術を施行した.切除検体から糸状菌を認め,液面形成型の肺アスペルギルス症と診断した.アスペルギルス症では自然免疫・獲得免疫を介して好酸球が増加しうるが,本症例でも術後,好酸球数が低下した.真菌量の増減に一致して好酸球性炎症が推移したと考えられる.

キーワード

喘息・COPD overlap(ACO) 液面形成型肺アスペルギルス症 好酸球増多 

Received 19 Oct 2020 / Accepted 28 Jan 2021
松本 久子
〒606–8501 京都府京都市左京区聖護院川原町54
京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学

日呼吸誌, 10(3): 259-263, 2021

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