空気塞栓を発症したCTガイド下肺生検の3例
鈴木 宏依a 四方田真紀子a 橋本 佳奈a 高木 康伸b 細見 幸生a
a東京都立駒込病院呼吸器内科
b同 放射線診断部
CTガイド下生検は肺病変の診断に対して有用な生検方法である.当院で経験した3例の空気塞栓の症例について空気がどのくらいの時間で,どのように移動し消失するのか臨床経過を追うことができたため報告する.3症例はCTガイド下生検直後に,冠動脈空気塞栓や腎動脈空気塞栓を認めたが,数十分の安静による経過観察で臓器障害を残すことなく改善した.CTガイド下生検は動脈塞栓を発症しうるが,安静によって後遺症を残さずに回復する場合がある.空気塞栓を発症した場合は対応方法と臨床経過を把握しておくことが重要である.
Received 12 Apr 2020 / Accepted 17 Nov 2020
四方田 真紀子
〒113–8677 東京都文京区本駒込3–18–22
東京都立駒込病院呼吸器内科
日呼吸誌, 10(2): 202-205, 2021