エンコラフェニブ/ビニメチニブによる薬剤性肺障害が疑われた1例
後藤 希* 飯島 淳司 三上 智 長﨑 公彦 太田 智陽 小沢 直也
中東遠総合医療センター呼吸器内科
*現所属:名古屋第一赤十字病院呼吸器内科
症例は73歳男性.悪性黒色腫に対してBRAF/MEK阻害薬であるエンコラフェニブ/ビニメチニブ(encorafenib/binimetinib)の併用療法が開始された.2ヶ月後に嘔気が出現し1ヶ月休薬,内服を再開した1週間後より咳嗽,呼吸困難が出現したため当科を紹介受診した.胸部CTで両側びまん性のすりガラス影を認め,人工呼吸器管理のもとステロイドパルス療法を行い改善が得られた.経過からエンコラフェニブ/ビニメチニブによる薬剤性肺障害が疑われ,貴重な症例と考えられたため報告する.
Received 8 Sep 2020 / Accepted 16 Nov 2020
後藤 希
〒436–8555 静岡県掛川市菖蒲ヶ池1–1
中東遠総合医療センター呼吸器内科
*現所属:名古屋第一赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 10(2): 144-148, 2021