インフリキシマブ奏効後に致死的再増悪を生じた免疫関連肺障害の1例
大澤 至a 森永正二郎b 佐々木 衛a 柿本 知勇a 島田 嵩a 峰松 直人a
a日野市立病院内科
b同 病理診断科
70歳男性.非小細胞肺癌に対するペムブロリズマブ(pembrolizumab)投与後にステロイド不応性の免疫関連肺障害を生じた.肺障害はインフリキシマブ(infliximab)投与により一時改善を得たが,約2週間後に再増悪をきたし致死的となった.剖検所見はびまん性肺胞傷害の器質化期像と急性期像が混在してみられ,初回増悪と再増悪の臨床経過を反映した病理像であると推察された.インフリキシマブの薬効減退に関連した再増悪である可能性があり,インフリキシマブの再投与を考慮するにあたり示唆に富む症例であったため報告する.
肺癌 免疫関連有害事象 肺障害 免疫チェックポイント阻害薬 インフリキシマブ
Received 1 Sep 2020 / Accepted 22 Oct 2020
峰松 直人
〒191–0062 東京都日野市多摩平4–3–1
日野市立病院内科
日呼吸誌, 10(2): 139-143, 2021