コイル塞栓治療後28年目に脳膿瘍を契機に診断された肺動静脈瘻再開通の1例
浦川 愛a 武田 倫子b 森田 隆平c 谷村 卓哉c 山本 崇之d 大宮 英泰b
a東住吉森本病院臨床研修センター
b同 呼吸器内科
c同 呼吸器外科
d同 循環器内科
57歳,女性.頭痛と右上下肢脱力感を主訴に搬送された.頭部CT/MRIにて左前頭葉脳膿瘍と診断され,抗菌薬投与とドレナージで改善を認めた.28年前に両側下葉の肺動静脈瘻に対して経カテーテルコイル塞栓術治療歴があり,胸部CTおよび肺動脈造影で左肺下葉に肺動静脈瘻の再開通と左肺上下葉に未治療病変も認めた.経カテーテル塞栓術を検討したが,2本の大きな流入動脈があったため,外科的切除を行い退院した.
Received 16 Jan 2020 / Accepted 28 Sep 2020
連絡先:武田 倫子
〒546–0014 大阪府大阪市東住吉区鷹合3–2–66
東住吉森本病院臨床研修センター
日呼吸誌, 10(1): 92-96, 2021