Negative heart signを呈した肺サルコイドーシスの1例
鈴木 歩 藤野 直也 平野 泰三 村上 康司 玉田 勉 杉浦 久敏
東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座呼吸器内科学分野
39歳男性.3ヶ月前から持続する労作時呼吸困難と乾性咳嗽を主訴に受診した.CTで両側肺門・縦隔リンパ節腫大と両肺びまん性微細粒状影,すりガラス影を認めた.ガリウム-67シンチグラフィでは全肺野に著明な集積亢進を認め,negative heart signを呈した.気管支鏡検査より肺サルコイドーシスと診断し無治療で経過観察したところ,約2週間の経過で悪化したためステロイドで加療し改善した.Negative heart signは急速に呼吸器病変が進行する肺サルコイドーシスに特徴的な所見と考えられた.
肺サルコイドーシス ガリウム-67シンチグラフィ Negative heart sign
Received 14 Jun 2020 / Accepted 15 Oct 2020
藤野 直也
〒980–8574 宮城県仙台市青葉区星陵町1–1
東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座呼吸器内科学分野
日呼吸誌, 10(1): 78-82, 2021