気管支肺胞洗浄液中の好酸球増多を伴った抗ARS抗体陽性間質性肺炎の1例
尾下 豪人 髙橋 達紀 妹尾 美里 船石 邦彦 三玉 康幸 奥崎 健
三原市医師会病院内科
症例は66歳の女性.労作時呼吸困難を自覚し,胸部CTで両側肺底部にすりガラス影を指摘された.画像パターンは非特異的間質性肺炎であり,メカニクスハンドを認め,血液検査では抗ARS抗体が陽性だった.気管支肺胞洗浄液中の好酸球増多(30%)を認め,好酸球性肺炎との鑑別を要した.プレドニゾロン(prednisolone)を開始したところ,陰影は消退した.抗ARS抗体陽性間質性肺炎では気管支肺胞洗浄液中の好酸球増多を示すことがあるため,画像所見や身体所見などを加味して慎重に鑑別する必要がある.
抗アミノアシルtRNA合成酵素抗体 気管支肺胞洗浄液 好酸球性肺炎
Received 2 Sep 2020 / Accepted 9 Oct 2020
尾下 豪人
〒723–0051 広島県三原市宮浦1–15–1
三原市医師会病院内科
日呼吸誌, 10(1): 74-77, 2021