免疫チェックポイント阻害剤併用化学療法が著効したEGFR遺伝子変異陽性肺扁平上皮癌の1例
松島 秀和 太田 啓貴 大場 智広 山川 英晃 赤坂 圭一 天野 雅子
さいたま赤十字病院呼吸器内科
症例は,48歳男性.背部痛,胸部異常陰影にて紹介受診された.原発性肺扁平上皮癌cT3N3M1c stage ⅣB,EGFR遺伝子変異陽性と診断.オシメルチニブ(osimertinib)内服治療5ヶ月後,多発肺内転移にてprogressive diseaseとなった.二次治療として免疫チェックポイント阻害剤(immune checkpoint inhibitor:ICI)併用化学療法を施行したところ,肺内転移の著明な縮小を認めた.治療中,ICIの有害事象のため,維持療法を2コースで中止したが,partial responseを維持している.ドライバー遺伝子変異/転座陽性肺癌の治療においてICI併用化学療法も考慮すべきである.
肺癌 扁平上皮癌 EGFR遺伝子変異 免疫チェックポイント阻害剤
Received 30 May 2020 / Accepted 1 Sep 2020
松島 秀和
〒330–8553 埼玉県さいたま市中央区新都心1–5
さいたま赤十字病院呼吸器内科
日呼吸誌, 10(1): 45-49, 2021