末梢肺病変に対しEBUS-GS下に肺生検を行い,組織嫌気培養で診断した肺放線菌症
吉田 也恵 西島 正剛 澤 信彦 覺野 重毅 島津 葉月 紙森 隆雄
淀川キリスト教病院呼吸器内科
47歳女性.歯槽膿漏あり.発熱・咳,胸部単純X線での右上肺野浸潤影に対し抗菌薬加療を受けたが,改善・増悪を繰り返し,当科を受診した.CT上,末梢肺に浸潤影を認めたが気管支の到達が辺縁までであり,ガイドシース併用気管支鏡腔内超音波断層法(endobronchial ultrasonography with a guide sheath:EBUS-GS)下に気管支鏡検査を実施した.EBUSでwithinを確認して肺生検を施行し,組織嫌気培養で肺放線菌症と確定診断した.4ヶ月間のペニシリン系抗菌薬加療を実施後,陰影が消失し再燃なく経過した.肺放線菌症の診断において,EBUS-GS下に肉芽中心部の組織検体を得ることが適切な診断治療のために有用である.
肺放線菌症 末梢肺病変 組織嫌気培養 ガイドシース併用気管支鏡腔内超音波断層法 肉芽中心部
Received 6 Mar 2020 / Accepted 19 Oct 2020
西島 正剛
〒533–0024 大阪府大阪市東淀川区柴島1–7–50
淀川キリスト教病院呼吸器内科
日呼吸誌, 10(1): 37-40, 2021