肺梗塞を伴う急性肺血栓塞栓症の臨床的特徴
大西 康貴a 河村 哲治a 東野 貴徳b 平田 展也a 髙橋 清香a 横井 陽子a 久米佐知枝a 東野 幸子a 勝田 倫子a 佐々木 信a
a独立行政法人国立病院機構姫路医療センター呼吸器内科
b同 放射線科
肺梗塞を伴う急性肺血栓塞栓症の臨床的特徴を把握することを目的に,梗塞群と非梗塞群の2群において後方視的に比較検討を行った.梗塞群は発症年齢が低く,胸背部痛や血痰を自覚する割合が高く,発症から診断までの日数が有意に長期間経過していた.また,診断前に細菌感染症として高率(69%)に抗生剤投与が行われていた.肺梗塞は若年の細菌性肺炎に類似した病態をとり得るため,胸部CTにおいてcentral lucenciesや楔状陰影など特異的所見を念頭におき,鑑別することが重要である.
Received 31 Jul 2020 / Accepted 28 Sep 2020
大西 康貴
〒670–8520 兵庫県姫路市本町68
独立行政法人国立病院機構姫路医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 10(1): 17-24, 2021