関節リウマチ患者に発症した自己免疫性肺胞蛋白症の1例
NTT東日本札幌病院呼吸器内科
症例は70歳,男性.20XX-5年,関節リウマチの診断でサラゾスルファピリジン(salazosulfapyridine)を開始し,関節症状は小康状態となった.20XX-2年,両上肺野にすりガラス陰影が出現し,薬剤性肺炎を疑い休薬したが,関節症状悪化のため2ヶ月後に再開した.20XX年,咳嗽の出現および肺陰影が増悪し,経気管支肺生検で肺胞腔内がSP-A陽性好酸性物質で占められ,血清抗GM-CSF抗体が陽性であり,自己免疫性肺胞蛋白症と診断した.関節リウマチには多彩な肺病変が合併するが自己免疫性肺胞蛋白症合併は非常に稀であり,治療方針にも影響するため報告する.
自己免疫性肺胞蛋白症 関節リウマチ 抗GM-CSF抗体 アンブロキソール
Received 27 Mar 2020 / Accepted 29 Jul 2020
橋本 みどり
〒060–0061 北海道札幌市中央区南1条西15丁目
NTT東日本札幌病院呼吸器内科
日呼吸誌, 9(6): 477-481, 2020