治療抵抗性の嚥下障害・筋力低下を呈した抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の1例
田熊 翔 大山 吉幸 中村 匠吾 森 利枝 池田 政輝 草ヶ谷英樹
静岡済生会総合病院呼吸器内科
症例は46歳男性.発熱,咳嗽,関節痛を主訴に受診した.典型的な皮疹や画像所見等より,皮膚筋炎関連間質性肺炎と診断した.抗MDA5抗体陽性であったが,間質性肺炎の急速な進行はみられず,ステロイド+シクロスポリン(ciclosporin A:CsA)による治療を開始した.その後,嚥下障害・筋力低下が亜急性に進行したため,ステロイド増量,シクロホスファミド(cyclophosphamide),免疫グロブリン大量療法追加とともに,積極的なリハビリテーションを行い,改善した.治療抵抗性の筋炎症状を呈する抗MDA5抗体陽性例は稀であり,報告する.
Received 15 Apr 2020 / Accepted 28 Aug 2020
大山 吉幸
〒422–8527 静岡県静岡市駿河区小鹿1–1–1
静岡済生会総合病院呼吸器内科
日呼吸誌, 9(6): 468-472, 2020