ペムブロリズマブによる重症筋無力症を発症したが継続投与が可能であった肺腺癌の1例
小笹 睦a 澤井 豊光a 原田 陽介a 吉岡寿麻子a 松尾 信子a 迎 寛b
a長崎みなとメディカルセンター呼吸器内科
b長崎大学病院第二内科・呼吸器内科
症例は59歳の男性.右肺腺癌に対してペムブロリズマブ(pembrolizumab)による治療が行われていたが,6クール施行後より日内変動を伴う右眼瞼下垂が出現し,エドロホニウム(edrophonium)試験が陽性であったことからペムブロリズマブに関連した重症筋無力症と診断した.今回,ペムブロリズマブによる重症筋無力症の症状が軽微であり,無治療の経過観察でペムブロリズマブを2年間継続できた.
ペムブロリズマブ 免疫チェックポイント阻害薬 重症筋無力症 免疫関連有害事象 エドロホニウム
Received 23 Dec 2019 / Accepted 3 Aug 2020
澤井 豊光
〒850–8555 長崎県長崎市新地町6–39
長崎みなとメディカルセンター呼吸器内科
日呼吸誌, 9(6): 454-457, 2020