75歳以上の高齢者肺MAC症における多剤併用化学療法の有効性と忍容性の検討
新福 響太 川島 正裕 長瀬 まき 川内梓月香 平野 悠太 池田 みき 武田 啓太 鈴木 純子 永井 英明 松井 弘稔
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器内科
高齢者肺MAC症の有病率増加が予想されるが治療の有効性と忍容性は明らかではない.75歳以上の症例で治療継続群と経過観察群,治療継続群の年齢層ごとでの比較検討を通じ検証した.対象61人のうち33人で化学療法が開始され,12ヶ月以上の継続が78.8%であった.経過観察群と比較し画像変化(p<0.0001),症状変化(p=0.0003)が優れていた.年齢層ごとでは75~79歳で継続率が85.7%と80歳以上に比較し高かった.75歳以上の高齢者でも治療の有効性を認め,忍容性も期待できると考えられた.
高齢者 肺Mycobacterium avium complex(MAC)症 肺非結核性抗酸菌症
Received 5 Apr 2020 / Accepted 30 Jul 2020
新福 響太
〒204–8585 東京都清瀬市竹丘3–1–1
独立行政法人国立病院機構東京病院呼吸器内科
日呼吸誌, 9(6): 410-418, 2020