Mycobacterium kansasii感染症を合併したGATA2欠損症の1例
岩﨑 剛平a 伊東 友好a 篠木 聖徳a 田村佳菜子a 稲田 祐也a 舘 秀和b
a関西電力病院呼吸器内科
b同 呼吸器外科
22歳,男性.幼少期から感染症を繰り返し,2年前にGATA2欠損症と診断された.発熱,乾性咳嗽を自覚し,抗菌薬不応の縦隔リンパ節腫大を認めた.外科的リンパ節生検で非結核性抗酸菌(nontuberculous mycobacteria:NTM)症や結核を疑う病理組織像を認め,多剤抗菌薬治療を行い解熱および縦隔リンパ節の縮小を認めた.後日,縦隔リンパ節の抗酸菌培養でMycobacterium kansasiiが同定された.播種性病変や縦隔リンパ節腫大を呈する若年者のNTM症をみたときにGATA2欠損症を想起する必要があると考える.
GATA2欠損症 原発性免疫不全症 縦隔リンパ節腫大 非結核性抗酸菌 Mycobacterium kansasii
Received 5 Mar 2020 / Accepted 11 Jun 2020
岩﨑 剛平
〒553–0003 大阪府大阪市福島2–1–7
関西電力病院呼吸器内科
日呼吸誌, 9(5): 383-387, 2020