高アンモニア血症,意識障害をきたした膿胸の1例
吉岡 潤哉a 大西 尚a 畠山由記久a 岡村佳代子a 吉村 将a 秦 明登b
a明石医療センター呼吸器内科
b神戸低侵襲がん医療センター呼吸器腫瘍内科
87歳男性.前医で肺炎の診断でピペラシリン(piperacillin:PIPC)が投与されたが,左大量胸水と意識障害が出現し当院に転院となった.悪臭を伴った白色胸水であり膿胸と診断した.胸腔ドレーンを留置し,アンピシリン/スルバクタム(ampicillin/sulbactam:ABPC/SBT)に変更した.血中アンモニア値が373μg/dLと判明し,第3病日に29μg/dLまで低下,意識レベルは清明となった.胸水培養からはα-Streptococcusを検出した.膿胸による高アンモニア血症,意識障害をきたし,胸腔ドレナージにより改善した症例を報告する.
Received 14 May 2020 / Accepted 1 Jul 2020
大西 尚
〒674–0063 兵庫県明石市大久保町八木743–33
明石医療センター呼吸器内科
日呼吸誌, 9(5): 379-382, 2020