孤立性結節影を呈し経気管支肺生検で診断した肺類上皮血管内皮腫の1例
草加市立病院呼吸器内科
症例は56歳男性.胸部単純X線写真にて結節影を指摘され当院を紹介受診した.胸部造影CTにて左肺S8に約15mmの結節影を認め,FDG-PETでは集積を認めなかった.原発性肺癌の除外,確定診断のために経気管支肺生検を施行した.病理所見では中心の硝子様変化と周囲の上皮様腫瘍細胞の増殖を認め,免疫組織染色ではCD31,CD34に陽性所見を示した.以上より肺類上皮血管内皮腫と診断した.肺類上皮血管内皮腫は多発結節例が多く外科的肺生検にて診断されることが多い.我々は経気管支肺生検にて診断した孤立性の稀な症例について報告する.
肺類上皮血管内皮腫 経気管支肺生検 孤立性結節影 FDG-PET
Received 25 Mar 2020 / Accepted 25 Jun 2020
登坂 瑞穂
〒340–8560 埼玉県草加市草加2–21–1
草加市立病院呼吸器内科
日呼吸誌, 9(5): 335-339, 2020