クモ膜下出血を初発症状として発症した好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の1例
楢﨑 唯a 高山 裕介b 小林英里佳c 中村 貴志d 益田 健b 庄田 浩康b
a広島市医師会運営・安芸市民病院内科
b広島市立広島市民病院呼吸器内科
c市立三次中央病院呼吸器内科
dJA廣島総合病院呼吸器内科
症例は57歳男性.気管支喘息の既往あり.3年前に慢性好酸球性肺炎と診断されステロイド治療が開始されたが,突然クモ膜下出血(subarachnoid hemorrhage:SAH)を発症した.SAH発症3ヶ月後から末梢血好酸球数増加,四肢のしびれを認め,発症6ヶ月後に好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis:EGPA)と診断された.EGPAの初発症状として,SAHを発症することがあり注意を要する.
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 クモ膜下出血 脳動脈瘤 末梢血好酸球増多
Received 28 Feb 2020 / Accepted 23 Apr 2020
楢﨑 唯
〒736–0088 広島県広島市安芸区畑賀2–14–1
広島市医師会運営・安芸市民病院内科
日呼吸誌, 9(4): 294-298, 2020