肺癌免疫治療中に発症したリウマチ性多発筋痛症の診断評価にPETが有用であった1例
中塩屋二郎 里薗 弥々 谷川 健悟 八木 朋子 堂嶽 洋一 東元 一晃
鹿児島市立病院呼吸器内科
症例は74歳女性.肺腺癌術後再発に対して免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブ(pembrolizumab)が開始された.治療奏効しpartial responseとなったが,4ヶ月後頃より関節痛,筋痛が出現し,上肢挙上や歩行にも支障をきたすようになった.肺癌再発はなく関節に変形はみられなかったが,18F-FDG/PET-CTで両側肩および股関節,腰椎棘突起などに異常集積が認められた.免疫関連有害事象によるリウマチ性多発筋痛症と診断されステロイドが開始されると疼痛は改善し,1年後のPETでは関節の異常集積は減弱した.診断評価にPETが有用であった.
肺腺癌 免疫チェックポイント阻害薬 免疫関連有害事象 リウマチ性多発筋痛症 PET-CT
Received 27 Jan 2020 / Accepted 2 Apr 2020
東元 一晃
〒890–8760 鹿児島県鹿児島市上荒田町37–1
鹿児島市立病院呼吸器内科
日呼吸誌, 9(4): 289-293, 2020