パスツレラ呼吸器感染症を合併したアレルギー性気管支肺真菌症の1例
尾下 豪人a 髙橋 達紀a 伊藤 徳明a,b 妹尾 美里a 船石 邦彦a 奥崎 健a
a三原市医師会病院内科
b広島大学病院呼吸器内科
症例は72歳の男性.気管支喘息の既往,犬との濃厚接触があった.湿性咳嗽のために受診し,CTで粘液栓,中枢性気管支拡張を指摘された.喀痰と気管内吸引痰からSchizophyllum commune(スエヒロタケ),Pasteurella multocidaが検出された.気管支鏡検査後にはP. multocidaによる急性肺炎を合併したため,ステロイド薬投与前に抗菌薬治療を行った.アレルギー性気管支肺真菌症による気道病変にはさまざまな細菌の感染を合併することがあり,注意が必要である.
アレルギー性気管支肺真菌症 パスツレラ・ムルトシダ スエヒロタケ 人畜共通感染症
Received 6 Apr 2020 / Accepted 8 May 2020
尾下 豪人
〒723–0051 広島県三原市宮浦1–15–1
三原市医師会病院内科
日呼吸誌, 9(4): 285-288, 2020