PET/CTで肺癌術後再発が疑われたリポイド肺炎の1例
西沖 俊彦 原口 瑞樹 三森 友靖 村木 慶子 関川 宗 関谷 充晃
埼玉県済生会川口総合病院呼吸器内科
症例は69歳,男性.肺癌術後の経過観察目的の胸部CTで左下葉腫瘤影を認め,肺癌再発疑いで当科紹介となった.PET/CTで18F-fluorodeoxy glucose(FDG)集積を認めたが,経気管支肺生検で確定診断に至らなかった.流動パラフィン内服歴があり,気管支肺胞洗浄を施行したところ,気管支肺胞洗浄液は白濁調で,脂質を貪食したマクロファージを多数認め,リポイド肺炎と診断した.PET陽性となる肺疾患をみた場合,鑑別診断としてリポイド肺炎も考慮する必要がある.
リポイド肺炎 Positron emission tomography(PET) 流動パラフィン
Received 9 Jan 2020 / Accepted 22 Apr 2020
西沖 俊彦
〒332–8558 埼玉県川口市西川口5–11–5
埼玉県済生会川口総合病院呼吸器内科
日呼吸誌, 9(4): 271-275, 2020