ゲフィチニブを再投与し15年長期生存している進行肺腺癌の1例
梅下 会美 山根真由香 岩部 直美 向田 賢市 窪田 哲也 横山 彰仁
高知大学医学部附属病院呼吸器・アレルギー内科
症例は66歳,男性.検診で両肺に多発粒状影を指摘された.当院で精査の結果,肺腺癌(cT4N0M1,Stage Ⅳ)と診断した.1次治療にカルボプラチン(carboplatin)+パクリタキセル(paclitaxel)を施行したが進行し,上皮成長因子受容体遺伝子変異があり,2次治療にゲフィチニブ(gefitinib)を開始した.Partial responseが約10年継続したが,徐々に増悪した.3次治療にペメトレキセド(pemetrexed)単剤を導入したが腎障害で中止した.その後gefitinibを再投与し,現在も継続している.治療開始から15年の長期生存が得られている.
Received 10 Jan 2020 / Accepted 31 Mar 2020
窪田 哲也
〒783–8505 高知県南国市岡豊町小蓮185–1
高知大学医学部附属病院呼吸器・アレルギー内科
日呼吸誌, 9(4): 252-256, 2020